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FREDERICK
ブルーハーツらと共にライヴ・ハウスで活動し、攻撃的なビート・サウンドで話題を集めたロンドン・タイムス。なぜか突如解散してしまったが、そのヴォーカリスト片岡健一とベースの岩島篤が中心となって新たに結成したのがフレデリックである。と言っても既に3年経っており、ライヴもかなりの本数をこなしている。ロンドン・タイムスは熱狂的に支持され、メジャー・デビュー寸前まで行ったが、フレデリックになってからはどちらかというと地味なノリで活動し、現在に至っている。
ロンドン・タイムス解散の第一目的がメッセージ・ロック的な熱狂を解体する事だった、というから当然フレデリックにはそうした部分は希薄である。ポップなメロディーと練られたアレンジ、そして押しつけがましい所の全くない自然体の歌詞という感じである。ライヴがかつてほどの派手な展開にならないのももっともだ。
彼らにとって初のCDがエピック・ソニーのライフサイズ・レーベルから発売された。どの曲もメロディーが覚えやすく、奇妙なトリップ感のある美しいものばかりだ。フレデリック節という感じの独特なメロディーを確立している。
このCDを一聴して盛り上がってしまい、ライヴへ足を運んだ。だが、ライヴではあまり彼らの良さがアピールされていなかった。少し肩すかしを食ってしまった。
最大の問題は曲の雰囲気とステージ上のメンバーの表情が一致していないことだろう。楽しい曲を険しい表情で苦しそうに歌い、かっこいいシャープな曲をぎこちないアクションで歌ったりしていて、どうも見ていてつらいのだ。
スタッフに聞くと、本人達もその辺は自覚し始めていて、ライヴでのフレデリックというものをもう一度立て直そうとしているらしい。そうなると強力なニューフェイスとしてシーンに浮上してくるだろう。
(文/山崎洋一郎) |
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