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02・1987.2.4 新宿LOFT
THE LONDON TIMES
サウンドニュース(1987.3.14発行)より

最初にロンドンタイムスをみたのは、何かのイベントで、幾つかのバンドが出た中のひとつだったのだが、実は、その時は余り心に残らなかった。2度目に見た時も同じだった。ただ演った曲の中に1、2曲は印象的な曲があったのだが、その程度で、取り立てて“いいバンド”とは思わなかった。そう思う様になったのは幾度か観た後のことで、ごく最近である。

ロンドンタイムスのライブには、アタリ・ハズレがある。すごくある。それは演奏の出来というよりは、選曲にあるのだと思う。
“これをやればウケる”という曲は、大抵どんなバンドにもある。一番人気のある曲、レコードになってる曲、ノリのある曲、そして大抵のバンドはそういう曲をライブのメニューから絶対に外さないものだ。観に来る方もそれを期待している人も多いだろう。自分の好きな曲やお馴染みのナンバーが出て来ないとガッカリしてしまうものである。しかし彼等、ロンドンタイムスの場合は違う。大いに外す。日によっては、ウケの少ない曲ばっかりを演る時もあれば、またヒット、ヒットのオンパレードの時もある。それが意図的なのか、そうでないのかは分からないが、とにかく観る度観る度、バンドのイメージがコロコロ変わる。明るかったり、暗かったり…。もちろん基本的な部分での“ロンドンタイムスのサウンド”というのは替わらないのだが…。
だからハズレの日に当たってしまった人は残念だとしか言い様がない。多分私が最初の頃に観たライブは、よく覚えていないのだけど、ハズレの方だったのだろう。でもアタリもハズレも両方経験すると、いつでも安心して見れる様になる。要するに、第一印象のインパクトは余りないのだが、知っていく内にジワジワと味が出てくるという、実に時間のかかるバンドなのだ。それでもやっぱり、いいモノはいい。ウケを狙わない、ライブがパターン化されていない。だから何度足を運んでも新鮮だ。新しい曲も、いつもグレードが高い。

サンペイ君の作る繊細なメロディと歌詞、それに絡んでくるキャプテンのキーボード、ナベちゃんのギター、リズム隊。どれを取っても個性豊かでセンスがある。もちろん演奏の面で言えば、荒削りの部分も多く、キャプテンのキーボードがちゃんと聞こえないとか、サンペイ君にはもう少し歌が上手くなって欲しいとか、色々あるのだけど、目先の事にとらわれずに、確実にバンドとしてのカラー、音、スタイルを固めていっている彼等の姿勢には大いに好感が持てる。やれインディーだメジャーだという枠の外で、いつもそういう物のもっとずっと先を見ているのではないかという気がする。志の高いバンドであると思う。
巷では『東京最後のビート・バンド』などと称されているが、その“最後”というのが、何となく“大物は後からゆっくり…”という感じがして、いい。実際そうであって欲しいと思う。
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